あの庭のことを、思い出しました
ふとした瞬間に、
昔の景色を思い出すことがあります。
先日訪れた、長野にあるカフェのお庭で、
そんな時間がありました。
まだ幼いスモークツリーの苗木が、ぽつり、ぽつりと植えられていて、
ルピナスや小さなお花も咲いていて、
とても静かで暖かい場所でした。
これから何年も、何十年もかけて、
木々が育っていくのだと思うと、
なんて夢があるのだろうと、
なんだか嬉しくなってしまったのです。
そのとき、
ふと実家の庭のことを思い出しました。
梅の木があって、柿の木があって、
紫陽花やライラック、白樺もあって。
春には鈴ランも咲いていた。
季節が来ると、
当たり前のように花が咲く庭の景色だったなぁと。
あの頃のわたしは、
それを特別だと思ったことがありませんでした。
ただ、そこにあるものとして、
毎日を過ごしていた気がします。
でも今、
あの庭のことを思い出すと、
あれは、
ずいぶん贅沢な景色だったのかもしれないと感じます。
記憶に残っている風景。
三本の梅の木は、右から順番に咲いて、
「まるで我が家のきょうだいみたいだね」
なんて話していたのも思い出します。
あのカフェの苗木も、
きっと何年か後には、
まったく違う景色になっているのだと思います。
その変化を、
今のうちから少し想像できたことが、
なんだか嬉しかったんです。
当たり前に見えているものの中に、
あとから気づくものがある。
服も、きっと同じなのだと思います。
気づいたときには、
もう自分の一部になっているようなもの。
そういうものを、
これからもつくっていけたらいいなと思っています。